VTS (Visual Thinking Strategy)対話型鑑賞について まとめ
メトロポリタン美術館 館長 トーマス・キャンベル×TEDの動画。
アートを観るには、専門的な知識よりも、その絵の中で何が起きているのかを感じることの方が重要なのであると語っています。
(16分ほどの字幕付き動画をご視聴ください)
さて、ヴィジュアル・シンキング・ストラテジー(VTS)は、欧米では広く活用されているプログラムですが、最近では日本でも低学年の小学生へ教育の一環で行われているようです。
また、東京都美術館でも小学生を対象としてプログラムが実践されています。
(参考URL:http://vtsj.acop.jp/concept/index.html)
これは、アートを通じて鑑賞者の「観察力」「批判的思考力」「コミュニケーション力」「言語力」「書く力」など育くむ教育カリキュラム。
VTSでは、美術史の知識だけに偏らず、鑑賞者同士のコミュニケーションを通して、美術作品を読み解いき、様々な可能性に開かれた心を育成することに有効だと言われています。
子供たちへのファシリテーターからの問いかけは「この絵の中で何が起きていると思う?」Kら始まります。
私は今、VTSを行う側(キュレーター・ファシリテーター、アートを広める側)に興味があります。
これは、アートを鑑賞者が自由に感じられる空間を創り提供する役割を持つ人であると解釈しています。
東京藝術大学と東京都美術館 連携事業のトびらプロジェクトの全アートコミュニケーターを対象とした講座にてファシリテーターとしての心得を教示いただきましたので以下にまとめました。
①VTSで扱う作品のストーリーやあらすじを把握する。
そうすることで鑑賞者の感じとった文脈を整理し理解し、展開できる。
②鑑賞者が感じとり言語化した言葉を別の言葉に置き換えること。そうすることで、鑑賞者の言いたいことが確認できるとともに幅広くコミュニケーションが展開できる。
③VTSで取り扱う作品は「こうでなければいけない」という枠はなく、その作品を「誰と見るか(子供なのか、障害者なのか、認知症患者なのか)」「どこで見るか」等シチュエーションによる。ただ、すぐ見てわかる「色」「人物」「建物「テーマ」などがある作品だと分かり易い。
ただ、抽象的アートがNGかというとそうでもなくて、逆に想像力が広がり、言葉もいろんな展開に及んで面白い。
昨年資格を取得した臨床美術とリンクしていて、型にはまらないことで得られるコミュニケーションと想像力の発達。
アートをもっと沢山見て、感じて、その楽しさや多様な価値観を人に伝えられるようになりたいと感じます。
VTSのプログラム実践も、とびラプロジェクの名目で3年間東京都美術館にて学べるので嬉しい!
トーマス・P・キャンベル 「美術館の展示室で物語をつむぐ」
ニューヨーク、メトロポリタン美術館 館長のトーマス・P・キャンベルは、キュレーターの仕事について真剣に考えています。キュレーターは単に芸術品を選ぶだけではありません。大衆が作品にまつわる物語を学べる環境を作り、そこに作品を配置するのです。華やかなイメージとともに、中世のタペストリーやアレキサンダー・マックイーンによる超一流ファッション/アートの展覧会に、キュレーターとしての哲学がどのように生きているかを教えてくれます。(TED2012の「デザインスタジオ」セッションより。ゲストキュレーター: チー・パールマン とデビッド・ロックウェル)
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